今年6月初めの100万人、200万人デモから始まった香港の自由を求めるデモは、通常のデモとは全く異なり衰える気配を見せません。
その理由は、人間の根源的に保持すべきである自由がまもなく中国中央政府によって消されようとしているのを、命をかけて防ごうとしているからです。
それを自分のためだけでなく、他の香港市民のためにもという利他の精神、自己犠牲:self sacrificeの精神で頑張っています。
「必死に頑張る」と普通に言いますが、今の香港の若者・市民はまさしく恐怖を乗り越えて死ぬ覚悟で必死です。
香港の20代の若者が闘いのテーマソング「香港に栄光あれ」:Glory to Hong Kong を作曲したので、ユーチューブで視聴しましたが、思わず涙がでてきました。
北朝鮮・中国本土などの社会主義的独裁国家以外の国民が普通に受けている自由の恩恵を求めることが、こんなにも困難であるとは。
先月8月中旬に、中国中央政府は、香港に隣接する地域に武装警察を駐留させ、デモを武力鎮圧する訓練を始めました。
武装警察と聞けば、武装した警察官のイメージでいましたが、実際は中国共産党配下の軍隊です。
これに対して、人民解放軍(実際は人民抑圧軍)は、中国中央政府直属の軍隊です。
ですから、民主国家でいう警察官の訓練ではなく、明らかに軍隊による軍事訓練を始めたというわけです。
恐ろしいことです。今から30年前の 1989 年6月の天安門事件を再現するつもりでいます。
再現した場合は、世界から中国への大批判が始まります。最強国アメリカは経済制裁をさらにさらに強化するでしょう。
旧宗主国:Former countryイギリスも動き出すでしょう。
香港の国際金融センターとしての地位は、イギリス統治時代に確立しており、中国中央政府の経済力が増したとは言え、今でもその実力は持続しているようですので。
さて、本題の「香港市民にイギリス国籍を与えることは可能か?」ですが、
林鄭月娥(りんてい・げつが:キャリー・ラム)行政長官は今月10日の週例記者会見において、米国など他国が香港の内政に干渉しないよう警告しました。
香港の内政に干渉される恐れがあるから発言したわけですが、その恐れの関連を時系列に調べると、
今年の6月、アメリカ上下両院で超党派で香港の「高度な自治の検証を義務付ける法案」を提出。
同8月、中国が近くでデモ鎮圧の軍事訓練を開始。
〃 イギリスの国会議員が、香港市民にイギリス本土の国籍を与えようという議論を提起。
今月9月7日、民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)さんの守護霊が日本の自衛隊派遣を希望していると、幸福実現党が広報紙で紹介。これを受けて中国国内のネット上などで拡散された。
同氏の守護霊は、「アメリカとイギリスも香港に軍隊派遣願いたい。そうすれば、闘いを続けられる。」とも述べたようであります。
しかし、ネット上などで拡散されたので、同氏本人は、ツイッターで「私は、日本の自衛隊を派遣してくださいとは主張してない。」と否定。
「アメリカとイギリスも軍隊派遣」については否定してない。
アメリカとイギリスも軍隊派遣はよくて、日本の自衛隊派遣はなぜダメなのか?
日本の軍隊はもともとから強すぎて、戦前は、中国共産党から恐れられて
いましたからね。たぶん中国に忖度したんだろう。
同9月8日、大勢の香港市民がアメリカ大使館前で「アメリカ上下両院超党派による法案」を支持する集会を開催。
といった流れで9月10日の林鄭月娥(りんてい・げつが:キャリー・ラム)行政長官の発言となったわけです。
なかでも、イギリスの国会議員による議論提起は、インパクト:impact(衝撃)が大きかったのではないか。
その具体的な内容は、香港がイギリスから中国に返還される1997年までは、香港人は希望すれば「イギリス海外市民:British National overseas」
としてのパスポートを持つことができたので、その人々にイギリス国籍を与えようということです。
その対象者は、およそ300万人以上いて香港市民の半数にあたるそうです。
世の中には、すごく頭のいい方がいるものですね。
かなり実現性の高い議論になると思います。
その議論提起があった以降、香港では手続き方法についての話が始まっているそうです。