去る9月4日(水)、香港政府は「逃亡犯条例改正案」撤回を表明しましたが、デモはこれで終息するでしょうか?
デモ参加者たちの多くは香港警察による暴力(警棒での殴打、ゴム弾等による失明や負傷、催涙弾による負傷など)を受けていることから、これに対する再発防止と謝罪がない限り終息しないと思います。
改めて、今回のデモの5大要求について簡潔にまとめると次のようになります。
1.逃亡犯条例改正案の撤回
2.デモ暴動認定取り消し
3.警察暴力独立調査委員会の設置
4.デモ参加者釈放
5.普通選挙実現
上記の5つの要求のうち1につては、9/4日(水)に解決(表明のみで、まだ完全ではありませんが)
2〜3については、香港警察が香港市民に妥協と謝罪の姿勢を示さない限り解決しません。
5については、一国二制度を崩しに取りかかっている中国中央政府が認めない公算が大きいです。
先月の8月31日から今月1日未明まで続いたデモの様子では、同じ黒い服でデモ隊に扮装した2人の男性が腰には香港市警のピストルを着用したまま、建造物の角に隠れながら火炎瓶を道路や市街地構内に投げつけている姿がユーチューブで拡散されています。
デモ隊の悪行に見せかけているわけですが、香港警察は「警官専用の拳銃ではない」と否定しているようです。
地下鉄の電車内で、デモ隊と女性を含めた一般客への警棒による殴打・暴行は残酷です。
これらのことから、今回のデモをテロや暴徒として扱い、香港政府が中国中央政府に武力介入を要請する大義名分は消滅したのではないかと思います。
中国中央政府は、建国70周年となる来月の10月1日までに香港での抗議デモを鎮圧したい考えのようですが、30年前の天安門事件当時とは世界情勢が変わっていることから、武力鎮圧は不可能であるし、また、してはならないと強く思います。
旧宗主国であるイギリスが、「返還から50年間は一国二制度を守るとした約束はどうしたのか?」と調停に早急に乗り出すことを強く望みます。